その子は普通に募集をしていた。
「近所で頻繁に会える人」を探していたらしい。
僕は近くで車ですぐ行ける距離だったので、メッセージを送ってみた。
すると「一回会ってみませんか?」と返信が。
待ち合わせは昼間のマクドナルド。お金がかかる子よりは好感が持てる。
現れたのは想像よりはるかに綺麗な女の子だった。
美少女、と言っていい部類に入る。
話を聞くと、18になったばかりで、母子家庭に育ち、しかも母親はネグレクト、つまり育児放棄していて、幼い弟の面倒を見る日々だったという。
食べ物も着るものもろくに与えられず、SNSで知りあった人たちに身体こそ売らなかったが際どい写真などで食費と交換していたらしい。
「この生活から抜け出したい。一緒に生活してくれる人を探している」と、その子は言った。
新しい住まいで、新しい生活を共にしてくれる人を探しているという。
これから自分も働くので、お金は全部負担してもらうことは考えていないそうだ。
僕は、正直、重たい、と思った。
この子の生活を背負わなければいけない。
ただ、このまま出会い系で遊んでいるのも、潮時かもしれないと思い始めていた。
「ちょっと考えさせてほしい」
と言って連絡先を交換して、その日は終わりにした。
ただ、この女の子とはまた会うだろうな、とも思っていた。
運命の出会いというものはどこにあるかわからない。
この女の子が、僕が出会い系で遊ぶのを終わりにするのかもしれない。
そんなことを考えていた。
また次回。